103万の壁とは?学生アルバイトが知っておきたい税金と扶養の話
学生アルバイトの「103万円の壁」は2025年の税制改正で123万円に変わりました。100万・106万・123万(学生はさらに150万・188万)の各ラインと扶養・社会保険への影響をやさしく整理。年収の目安の考え方と、超えそうなときの対処もまとめました。
Principais pontos deste artigo
- 「103万円の壁」は2025年の税制改正で123万円に引き上げられた(基礎控除58万円+給与所得控除の最低額65万円)
- 学生(特定扶養親族にあたる19〜22歳)は「特定親族特別控除」により、150万円までは親の控除が満額維持され、188万円まで段階的に受けられる
- 106万円の社会保険の壁は2026年10月に撤廃予定(本記事執筆時点ではまだ有効)。130万円の壁は引き続き残る
- 壁の判定は1月〜12月の年収合計で行い、長期休暇の増加分も含めて考える
- 掛け持ちは全収入を合算。金額の基準は改正されるため最新情報を必ず確認
アルバイトの「壁」とは、年収がある金額を超えると税金や社会保険の負担が増えたり、親の扶養から外れたりする境目のことです。長年「103万円の壁」として知られてきたラインは、2025年の税制改正で123万円に引き上げられました。学生がまず押さえたいのは、住民税がかかり始める約100万円、所得税と親の扶養に関わる123万円(学生はさらに150万円・188万円)、社会保険に関わる106万円・130万円。この記事では各ラインの意味と、超えそうなときの考え方を整理します。
重要:税制は改正されることがあり、控除額や基準は年によって変わります。ここでの金額は2026年8月時点の制度に基づく目安です。実際の判断は、最新の情報と、親の勤務先・学校・税務署(国税庁)の案内で必ず確認してください。
「年収」は1月〜12月の合計で数える
壁の判定に使う年収は、その年の1月1日から12月31日までに受け取った給与の合計です。月ごとではなく年間で見るため、夏休みや冬休みにシフトを増やすと一気に超えやすくなります。まずは「今のペースだと年間いくらになるか」をざっくり計算しておきましょう。
壁の意味(目安・2026年8月時点)
| 年収の目安 | 何が起こるか | 主に影響する人 |
|---|---|---|
| 約100万円 | 自分に住民税がかかり始める(自治体により基準が異なる) | 本人 |
| 123万円 | 自分に所得税がかかり始める境目(2025年改正で103万円から引き上げ) | 本人 |
| 150万円 | 学生(特定扶養親族)の場合、これを超えると親の「特定親族特別控除」が段階的に減り始める | 親 |
| 188万円 | 学生の場合、これを超えると親の特定親族特別控除がなくなる | 親 |
| 106万円 | 勤務先の規模など条件を満たすと社会保険(勤務先加入)の対象になる場合がある(2026年10月に撤廃予定) | 本人 |
| 130万円 | 親の社会保険の扶養から外れ、自分で保険料の負担が必要になる | 本人・親 |
123万円の壁とは(旧・103万円の壁、所得税)
2025年の税制改正により、基礎控除が48万円から58万円に、給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げられ、合計の非課税ライン(いわゆる「壁」)は103万円から123万円になりました(2025年分の所得税から適用)。
- 自分の所得税:年収が123万円を超えると、超えた分に所得税がかかり始めます。
- 親の扶養控除:以前は子の年収が103万円を超えると親の扶養控除が一気になくなる「崖」がありましたが、2025年の改正で学生(19〜22歳の特定扶養親族)向けに新しい仕組みができました。次の見出しで説明します。
学生は「特定親族特別控除」で150万円・188万円が新しい目安に
2025年に新設された特定親族特別控除により、19〜22歳の学生(特定扶養親族にあたる場合)については、親が受けられる控除が段階的に変わる仕組みになりました。
- 150万円まで:親は満額(63万円)の控除を維持できます。
- 150万円〜188万円:年収が増えるにつれて控除額が段階的に減っていきます。
- 188万円超:この控除は受けられなくなります。
以前の103万円のような「1円超えたら控除が一気になくなる崖」ではなく、なだらかに減っていく仕組みになった点がポイントです。とはいえ188万円を超えると親の税負担は増えるため、150万円・188万円は覚えておく価値のあるラインです。
学生には「勤労学生控除」もある
一定の条件を満たす学生は勤労学生控除を使え、自分に所得税がかからない年収の上限を引き上げられます。ただし注意点があります。
- 勤労学生控除はあなた自身の所得税を軽くするもので、親の扶養控除(特定親族特別控除)とは別の話です。この控除を使っても、親側の基準(150万円・188万円)を超えれば親の負担は増えます。
- 利用するには年末調整または確定申告での申告が必要です。学校の証明などが求められる場合があります。
106万円・130万円の壁(社会保険)
ここからは税金ではなく社会保険の話です。
- 106万円:勤務先の従業員数や労働時間などの条件を満たすと、勤務先の社会保険に自分で加入することになる場合があります。この106万円という賃金要件は、2026年10月をめどに撤廃される予定です(2025年6月成立の年金制度改正法による)。撤廃後も、週20時間以上勤務すれば社会保険加入の対象になる点は変わりません。本記事の執筆時点(2026年8月)ではまだ106万円の基準が有効なので、直近で働く場合は最新の実施時期を確認してください。
- 130万円:これを超えると親の社会保険の扶養から外れ、国民健康保険や勤務先の保険に自分で加入して保険料を払う必要が出てきます。106万円の壁が撤廃されても130万円の壁は残る見込みです。手取りへの影響が大きいラインです。
社会保険の扶養は親の勤務先(健康保険組合)ごとにルールが異なることがあるため、心配な場合は親を通じて確認してもらうのが確実です。
壁を超えそうなときの対処
- 年間の見込みを早めに計算する。月の平均収入×12に、長期休暇の増加分を足して概算します。
- 超えそうなら年後半のシフトを調整する。特に11〜12月は年収が確定に近づくため影響が大きいです。
- 家庭で相談する。親の税・社会保険への影響は家庭全体で見て判断するのが安全です。
- 掛け持ちは合算で数える。複数のバイトをしている場合、年収はすべて合計して判定します。確定申告が必要になることもあります。
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